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椎間板ヘルニア

① 椎間板

犬の背骨は、椎骨という骨がたくさん連なってできています。首の椎骨は頚椎といい、その後ろに胸椎・腰椎・仙椎・尾椎と続いていますが、どの犬種でも通常頚椎は7個、胸椎は13個、腰椎は7個あります。これら椎骨と椎骨の間には、背骨を曲げるためのショックアブソーバー(位置の移動を抑制するための装置)がありますが、これを「椎間板」といいます。また、椎間板は円板状で、その中心は髄核、周囲は線維輪とよばれます。

② 椎間板ヘルニアの概要

ヘルニアとは、体内の臓器などが本来あるべき部位から脱出した状態を指します。例えば、お腹の筋肉の隙間から脂肪や消化管(腸など)が飛び出したものは「臍ヘルニア」と呼ばれますが、これをいわゆる「でべそ」といいます。また、頭の中で脳圧が亢進し、脳が本来あるべき部位から圧迫され、押し出されてしまったものを「脳ヘルニア」と呼ばれます。
椎間板ヘルニアは、脊椎と脊椎の間に存在し、クッションの役割をしている「椎間板」がある原因で正常な位置から逸脱し、その脊椎の中を通る脊髄を物理的に圧迫する状態をいいます。神経が圧迫されると脳からの運動指令が圧迫された場所でとぎれてしまい、正常に体を動かすことが難しくなります。病変の場所や圧迫度合いによっては、歩けなくなったりおしっこすることができなくなったりします。
 椎間板が変性する原因ははっきりとはわかっていませんが、ミニチュアダックス、ウエルッシュコーギー、ビーグルといった、いわゆる軟骨異栄養性犬種が非常にかかりやすいといえます。

③ 症状

椎間板ヘルニアは神経学的な症状によって、だいたい3~5段階に分別できるといわれており、初期症状では、なんだか元気がない、抱き上げた時に「キャン」と鳴いた、動きたがらない、普段は登れる段差が登れない等が挙げられます。
 中等度症状では、腰がふらふらする、歩いてはいるが足を引きずる、背中を触ると痛がる、または怒る。重症症状では、後ろ肢は動くが体を支えられず歩くことができない、後ろ肢で全く立てない、おしっこが出ない。随意運動不能状態では、立てなくなる、後ろ足が動かせない、腰から下の感覚が鈍っている状態、自分で排泄できなくなる、オシッコをしたことに気づかない、後ろ足が完全に麻痺した状態、痛みも感じなくなる。
 これらの症状があった場合でも必ずしも「椎間板ヘルニア」とは限りません。大事なことは疾病の鑑別であり、その疾病に対し迅速で適切な治療をすることです。しかし、犬の椎間板ヘルニアは、場合によって脊髄軟化症という状態に進行し、命を失うこともありますので、早期の適切な診断・治療が大切です。

④ 診断と治療

 

 

アリスちゃん

深部痛覚という痛みの感覚が全くない状況で手術しました。非常に治療反応がよく、股関節もわるいのでうさぎ跳びみたいになりますが、足を使えるようになってます!

 

 イチローちゃん

急に立てなくなり痛みも感じなくなっていたので緊急手術を実施しました。
翌日はまだ足が動きません。

 

 11日経過した頃です。非常に速い回復で歩けるようになりました!

 

 トトちゃん

手術1週間後の状態です。立てなくなってから手術しましたが、何とか歩けるようになっています。

 

 同じ日の別の動画です。


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